ね、前に「黒鍵から数えるときは F♯ か G♭ かで違う」って言ってたよね。同じ鍵盤なのに、なんで両方つかうの?
あー、それね。同じ場所の鍵盤でも、文脈によって名前が違うんだ。
そして名前が違うと、数え方も変わる。
名前が変わると……数え方も?
うん。度は 音名(C, D, E, ...)の文字 で数えるから、F♯ から始めるか G♭ から始めるかで、出てくる文字が違うんだよね。
ちょっと、実際にやってみたい。
F♯ から数えると
じゃあ F♯ から 3度上を数えてみよう。
, , の3つで3度。答えは 。
うん、シンプル。F の次が G、その次が A だから。
同じ場所、G♭ から数えると
じゃあ G♭ から数えるとどうなるの?同じ鍵盤じゃないの?
鍵盤は同じだよ。でも名前を G♭ にすると、数え方は G から始まる。
, , の3つで3度。答えは 。物理的には同じ場所だけど、書き方が違う。
えっ、ちょっと待って。 と って、同じ鍵盤じゃないよね?
そう、ここがポイント。F♯ からの3度上は A、G♭ からの3度上は B♭。最後の鍵盤も違う。
数え方が違うから、当然の結果なんだけどね。
へえ……。名前で数えてるから、同じ場所から始めても別の景色になる。
黒鍵は名前を選んでから数える
F♯ と G♭ は物理的に同じ鍵盤。でも度を数えるときは、まずどちらの文字(F か G か)として扱うかを決めてから。文字が決まれば、上に積む数え方も決まる。
同じ場所なのに、度数が違う?
じゃあもうひとつ気になる。たとえば から と、 から って、同じ場所だよね?
そう、E♭ と D♯ は同じ鍵盤。
でも、名前で数えると……
C, D♯ ……2つで2度?
そう、C → D♯ は2度。増2度 って呼ぶ。
一方、C → E♭ は文字で数えると C, D, E の3つで3度。短3度。
鍵盤の場所も響きも全く同じ。でも、書き方ひとつで度数が違う。
ええ、それは混乱する。
これが「異名同音(いめいどうおん)」っていう現象なんだ。同じ音でも、文脈で名前を選ぶ。
スケールやコードのなかで「次の文字」がほしいときは E♭ を使うし、「半音上がった D」が欲しいときは D♯ を使う。状況で書き分ける。
鍵盤で見ると「同じ音」だけど、音楽の文章のなかでは「別物」って感じか。
そう、それが近いね。鍵盤じゃなく 音名のロジック で度は決まるんだ。
なるほど、鍵盤だけ見てても答えは出ないんだ。
同じ音、違う名前 → 違う度
C → D♯ と C → E♭ は同じ鍵盤・同じ響き。でも前者は「増2度」、後者は「短3度」と、度の数も質も違う。度は鍵盤じゃなく音名で決まる。
そっか、鍵盤の「ここからここまで」じゃなくて、「この文字からこの文字まで」で考えるんだ。
Q&A
Qどっちの名前を使うかは、誰が決めるの?
曲のキー(調)や、その場の文脈で決まるよ。F♯ メジャーのスケールなら全部 ♯、G♭ メジャーなら全部 ♭、というふうに揃える。
Q「増2度」と「短3度」って響きは同じ?
ピアノで弾けば同じだよ。でも音楽の文章としては別物として扱う。マイナースケールでは「増2度」が出てきても「短3度」と書かない、みたいな使い分けがある。
QC♯ と D♭ も同じ?
そう、同じ。物理的には全部の黒鍵に2つの名前がある(C♯/D♭、D♯/E♭、F♯/G♭、G♯/A♭、A♯/B♭)。場面によって選ぶんだ。